【設計・管理】

一級建築士事務所 デザインオフィス鴻優(こうゆう)
〒850-0034 長崎市樺島町8-19(長崎アイビス内)
TEL095-824-2171  FAX095-825-5582
E-Mail chin@nyc.odn.ne.jp

陳 優宏(ちん・まさひろ)
1967年 長崎県生まれ(四海樓の次男として誕生)
1990年 慶應義塾大学商学部卒業
1990年 TV製作会社 テレビマンユニオン入社
1992年 単身で北海道に渡り、看板デザインに携わる。
その後、大阪の建築専門学校(夜間)を卒業し設計事務所勤務。
1999年 デザインオフィス鴻優を設立。
現  在 デザインオフィス鴻優主宰。一級建築士。

協調性を重んじた風格の佇まい


東側

西側

【景観】

この地区は長崎市の景観形成地区に指定されており、周辺には重要文化財に指定された建物がいくつも建ち並んでいます。四海樓とういう中華料理店のイメージを醸しだしながら、この地区に溶け込皆様に親しんでいただける建物を…。そのために、外壁のほとんどを石貼りとし、色使いは無彩色を基調として、有彩色は中華のイメージである赤だけ使っています。特に石については、四海樓の故郷である福建省から輸入したもので表面加工はすべて“手彫り”という、現在の日本では考えられない仕上げであり、その素晴らしい手技の跡は、中国文化が持つダイナミズムを感じさせるものと思います。

昼と夜、二つの顔を持つ広場

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【広場】

この広場は昼と夜の二つの顔を持っています。昼は皆様の“くつろぎの場”であったり、集合の場であったり…。夜は駐車場として機能させます。
また、大階段と一体化することにより、結婚式やビアガーデン、各種のイベント等にも利用できるよう配慮されています。広場に光の線を描く“外燈”は、足元を照らすと同時に、駐車スペースを表示する光のラインとなっています。近い将来、この光の線が光の束になり、大浦天主堂・グラバー園へと続く“光の帯”として、この地区の夜の景観を演出することを期待しています。

空間の持つ創造性を活用した配置計画

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【配置計画】

今回の建築計画はヒューマン・スケール(人の大きさを基準とすること)を前提として計画を立案いたします。建物自体の規模を前四海樓ビルの三分の一とし、その中で色々なパターンを想定しました。平屋建や円楼様式、階段状になった建物など…。
そして、最終的には高さを前四海樓ビルと同じにし、余った敷地に空間を設けることにしました。この空間は、立地条件から言うと駐車場も妥当ですが、あえてこの空間を皆様に利用していただける“コミュニティー広場”として活用することを発想し、さらに、入口の方向を広場側にすることによって、この広場と大階段を一体として使えるように配慮しています。単純に考えるとムダに見えるスペースが、使い方により豊かな空間としての創造性をもたらすものと考えます。

オブジェクトとしてもダイナミックな芸術性

【龍壁】

この龍は瓦で出来ています。“龍の壁を作りたい”という私たちの呼びかけに、鬼瓦士の藤本先生と左官技能士の三浦先生が賛同していただき、見事な龍壁が完成しました。この龍壁はいち中華料理店の外壁という枠を超えて、ある意味では芸術作品と言えるものと思われます。先生の技術と知恵が生みだした、嬉しい誤算です。

四海樓のマークが刻まれたオリジナル瓦

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【瓦】

この建物に使用されている“瓦”は全てオリジナルで、それぞれの瓦に四海樓のマークを入れ製作されています。また、大階段にかかる大屋根の両隅ははね上がっており、人形が乗っています。これは、中国南部(福建省も含む)の風習に乗っ取った形式です。

先人達の不思議な遊び心

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【魔法陣】

この6×6の数の配列はマジックスクエア(魔法陣)と呼ばれ、中国に古くから伝わる“魔よけ”です。縦・横・斜めの数字を足すとすべての数が111になる不思議な数字の配列は、現在の数学理論を駆使しても説明不可能だと言われています。古来、中国ではこの魔法陣を家の基礎に埋め込んで“魔よけ”として使われていました。
この四海樓の“魔よけ”と同時に、皆様の“魔よけ”となることを願っています。

牡丹とナガサキアゲハが象徴する中国と長崎

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【柱レリーフ】

赤い柱に描かれているレリーフは中国の象徴である“牡丹の花”と、シーボルトが発見したと言われる“ナガサキアゲハ”を表現しています。ナガサキアゲハが花にたわむれ、共存する様子は長崎と華僑の関係を表し、今後もこうあって欲しいという願いをデザインしたものです。

海の向こうは広大な中国大陸に続く“風の道”

【大階段】

階段とは、単に登ったり下ったりするためのものですが、この大階段はその根本的な考え方を問い直し、発想の転換を計りました。2F・3Fの踊り場は時としてステージとなり、段板は、時として広場におかれたステージを見るための観客席となります。この大階段は建物の中心部を貫通し、海からの“風の道”になります。この“風の道”は海の向こうにある広大な中国大陸へと続く道であり、四海樓の初代・陳平順が渡った“魂の道”でもあります。そして、この道は壮大な東西文化の架け橋“シルクロード”へと続きます。四海樓ビルは、長崎と中国を結び、それらを迎え、そしてそれらへ続く“門”となっているのです。また、大階段の裏の1F部分は、雨の日にタクシーで帰られるお客様が濡れないように、雨の日だけタクシーが入れる設計になっています。大階段3F部分の壁には丸い金物を埋め込みました。ランタンフェスティバルには、大階段を横断してランタンを飾れるようにしています。

四海樓と旅人を守る“門神”、順風耳と千里眼

【銅像】

大階段の両側には、“順風耳”と“千里眼”の銅像が立っています。順風耳と千里眼の兄弟は、中国に昔から伝わる航海の女神“媽祖”の家来で、大階段が媽祖の島()へ続く道でもあると考え、“門神”として設置しました。四海樓を訪れる方々の旅の安全を祈願する意味でもあります。この二つの銅像は、「順風耳」が千里眼の動きを監視して、あらゆる災害から媽祖を守る役目を持つと言われています。銅像の作者は熊本の永松亮一先生(尚絅短大)が中国に視察に行かれ、製作されたものです。

四海樓だからこそできる資料館

【ちゃんぽんミュージアム】

四海樓は100年以上の歴史を長崎に刻んでいます。一人でも多くちゃんぽんを知っていただきたいという思いから、ちゃんぽんミュージアムを併設させました。ちゃんぽんと共に歩んできた足跡を回顧し、その味の秘密や往時を偲ばせる、懐かしい資料などを展示しています。これが長崎ちゃんぽんのルーツであり、長崎ちゃんぽんの故郷です。ごゆっくりお楽しみ下さい。

隅々にまでアートにこだわる四海樓の主張

【大階段天井】

大階段の天井には“龍と鳳凰”のレリーフを飾りました。また、現在空白であるアール部分には後日、四海樓の故郷である福建省の山々の水墨画を描く予定です。どうか、お楽しみにお待ちください。

中国の壮大な歴史ドラマを描いた木製彫刻

【木製彫刻】

この木製彫刻は中国で製作したものです。西遊記と三国志の壮大なドラマが、それぞれ数枚の彫刻として描かれ、その物語が完結しています。書物のイメージと重ねながらお楽しみください。

見えない工夫

【大階段石加工】

階段(石段)は通常、一つの石魂を段状に重ねて作ります。しかし、今回の場合は石の重量を考慮し、石の内部を空洞する形に加工し、施工しています。また、立ち上がり面も自然素材の風合いがそのまま残され、人々の目に触れない部分にも独特の工夫が施されています。

建物の安全性と美観性が融合

【PS(パイプスペース)扉】

PSの扉は小さい方がいいと思っていませんか。建物の内部設備(排水・ガスなどの配管等)は永久ではありません。(故障・事故等が発生する消耗品)修理・取り換え時に扉が小さければ囲いの壁まで壊さなければなりません。そこで、コストを軽減し、迅速に対応するために、この壁ごと外せるPS扉を使用しています。

長崎港を一望するレストラン

【レストラン】

開放感を主体に設計した展望レストラン。昼間には光にあふれ、夜は夜景が満喫できる眺望を基本にレイアウトしています。窓ガラスには西日の熱を減らすレフテル(高透明熱反射断熱フィルム)を貼っています。